くまもと南園の匠協同組合

アグリ・インバウンド観光による販路開拓への挑戦!

背景と目的
当組合は独自に設定した基準を満たした農産物・農産加工物をブランド化し、東南・東アジアの百貨店などでの展開を目指して平成24年度から「JAPANブランド事業」に取り組んできました。しかし、東南・東アジアでは日本産でさえあれば安心安全であると評価されており当組合が期待していたほどの成果は得られなかったため、国外アウトバウンドの国際産直という目標達成へ向け、アプローチを変えた取り組みを行うこととなりました。

事業・活動の内容と手法
平成27年度、地域資源を活用した「ふるさと名物」などのブランド化のための取組み等を国が支援する「ふるさと名物開発支援事業」に採択され、海外展開を目指して現在、計画の実施に向けて取り組んでいます。同事業では、観光農園を営む組合員が中核的な役割を担い、阿蘇および天草の関係市町村や旅行会社等が連携して企画開発に取り組んでいます。旅行目的が多様化するなかで、熊本の美しい自然に育まれてきた農林水産省の営みの中から「食・温泉・水等」の魅力を引き出すオリジナルのツアー商品の開発を行い、その地域や農場でしかできない体験型観光(農林水産体験型ツアー)取り組む内容となっています。
具体的には、香港、シンガポールやタイ等の食品輸出に伴って顧客登録を行い、購入した食品の原産地である熊本の農場や製造業等を尋ねるツアーや既存の観光ルートのオプショナルツアーとして農業者と海外旅行者が共に喜び合う農水体験・交流型観光を開発し、農水産物の販売促進を図るというものであります。このアグリ・インバウンド観光を国外アウトバウンドの国際産直にちなげていきます。事業の推進にあたっては、当組合員のほか、熊本観光農園協議会、旅行会社、該当する市町村等による構成される「熊本アグリ・インバウンド協議会」を核として、開発する体験・交流型観光の実効性、持続性、利便性等を高めるためのアドバイザーとして、現地旅行社(シンガポール・香港等)のツアープランナー等の招聘、広報資材の作成、アンケート調査、お土産品の提案に取り組んでいます。

成果
この事業において農産物の輸出に取り組む一部の組合員がトップランナーとなり、影響された組合員の6次産業化など農業経営への積極的な取り込みに波及し、組合の活性化が進みつつあります。東南・東アジアなどのインバウンドの観光客へ新たな観光商品を組織的に提供する組合の取り組みは、連携が不可欠な県、市等地方自治体、国内旅行会社をはじめとする地域への波及効果も期待されます。

事業・活動推進のキーファクター
海外展開に向け積極的に取り組むトップランナー的組合員の存在と、インバウンドをアウトバウンドに繋げようと観光分野にまで視点を広げ、各団体との連携体制を構築したことが推進力を増してます。

住所 〒860-0045 熊本市中央区上通町8-18
電話番号 096-355-7571
FAX番号
設立 平成20年12月
出資金 360万円
組合員 54人
業種 農業

 

熊本県塗装防水仕上業協同組合

高い技術と営業力を備えたセールスエンジニアを育成

背景と目的
当組合の技術者は塗装・防水に関し高い技術を持っているにもかかわらず商品知識・営業ノウハウ・営業マナー、マーケティング力等が弱く、受注に関しても下請体質に偏っていることが課題でありました。
そのため、平成23年度より共同事業・組合体制を見直すための調査・研究を「活路開拓事業」により実施。翌年には厚生労働省の地域人材育成における補助事業に着手いたしました。

事業・活動の内容と手法
平成23年度の「中小企業組合等活路開拓事業」では、「遮熱塗料の開発と戸建市場の開拓による元請受注体制の確立および組合員の経営基盤強化」と題し、昨今の温暖化対策や節電志向に伴った、環境対応型塗料(高日射反射率塗料)の普及をポイントに、一般戸建住宅をターゲットにした塗装業界に対する再評価を市場に求める研究を行いました。この研究のなかで、一般消費者と組合員向けの各アンケート、高日射反射率塗料の実用性を高めるための測定・実験、先進地の視察、建設業界イベントにおいての一般消費者へのPR活動を実施しました。
その後、①高日射反射率塗料に代表される環境対応型商品による戸建て市場の開拓、②同市場を開拓するための組合内部技術専門家「エキスパート」の養成、③同市場における施工後の工事品質を確保する為の専門診断員「インスペクター」の養成を、3つの柱に据えた組合の活路開拓ビジョンを策定しました。平成24年には、ビジョンの実現を目指し、厚生労働省の「新事業展開地域人材育成支援事業」を活用して高日射反射率塗料のエキスパート講座を実施しました。各分野の専門家を含めた産学官連携を図りながら全10回の講座を企画。インストラクターマニュアル、教育訓練テキスト・カリキュラムの作成も行いました。
市場開拓からアフターサービスまで一貫して行える人材を育成するため、専門的な施工技術のみならず、マーケティングや営業スキル、クレーム対応までに及びました。

成果
講座終了後は受講生を核とした営業活動ができる人材(セールスエンジニア)の活動が展開されつつあり、住宅の塗替え等、リフォームの受注が増加しました。
また、組合や組合員のホームページのアクセス数が増加傾向にあり、これは積極業務も行う技術者としての評価の出現と思われます。当事業は組合員にさらなる自信をもたらし、以前と比べ組合員の意識・積極性が向上しました。

事業・活動推進のキーファクター
各種調査・研究にて市場のニーズや組合の現状、課題を的確に把握し、組合の方向性を活路開拓ビジョンとして明確に示したことがその後の事業推進における道標となりました。

住所 〒861-8046 熊本市東区石原1丁目2-8
電話番号 096-389-7750
FAX番号
設立 昭和39年6月
出資金 2412万円
組合員 65人
業種 建設塗装工事業

 

熊本流通団地協同組合

三方よしの「あきんど精神」、行政と連携し社会に貢献

背景と目的
熊本県における代表的な流通団地、そして、子会社として「熊本流通団地株式会社」有し、現在も成長し続けている団地協同組合である当組合では、組合員からの賦課金収入だけではなく、共同経済事業として安定的な収入を確保する事業を模索しておりました。
そこで、組合員への還元も図れる団地内の組合員を対象にした「カーシェアリング事業」に着目し、組合内に設置されていた「新規事業検討委員会」に諮った後、調査・研究を行い、平成23年4月より乗用車3台で「カーシェアリング事業」を開始いたしました。

事業・活動の内容と手法
「カーシェアリング事業」は、組合の子会社である「熊本流通団地株式会社」を事業主体とし、予約の受付や車の管理は小会社のカーシェアリング事業係により行っています。この事業推進体制は、「組合の直接事業、員外利用」の制限を受けず、流動的なニーズにも対応可能でありながら、組合のイニシアチブも保持されており、組合と組合員の新たな関わり方を考慮した体制であるといえます。
平成25年2月には、熊本市事業である「環境対応車カーシェアリング事業」を「熊本流通団地株式会社」が受託し、全国の協同組合の先駆けとして熊本流通団地協同組合の事業である「熊本カーシェアリング事業」ち一体的に運用することとなりました。なお、予約や料金の決済などのカーシェアリングシステムの構築及び運用上の管理については、システム管理会社に委託しています。

成果
カーシェアリングの車の平均利用率は、乗用車は約50%、トラックは30%で、事業の収支バランスポイントであるキャッシュフローベースでは2年目で達成することができ、また損益(PL)ベースでは本年度に目標を達成することができました。組合員の中には、今後の事業利用を予定し、社用車の減車を実行している企業もあるなど、登録者は増加傾向にあります。また、カーシェアリングのニーズが高まる傾向で、さらに、社会貢献にもつながるため、地域における組合と組合活動の認識が広がり、団地の価値や存在感も高まってきています。

住所 〒862-0967 熊本市南区流通団地1-24(流通情報会館2階)
電話番号 096-377-2600
FAX番号 096-377-2603
設立 昭和61年12月
出資金 6億7319万円
組合員 90人
業種 卸売業・運送業

 

協同組合熊本県鉄構工業会

教育研修教材、業界周知用ツール等様々な場面で活用中

背景と目的
鉄骨建築の製造・施工企業は、4Kの建築専門業であり、若者の新規従業が困難な業種であるが、技術の継承や事業の継承などの点からも高い技術力や必要なやりがいのある仕事であることを知ってもらう必要がありました。
組合及び組合員は、この課題解決のため、鉄骨建築の製造・施工業務について紹介する情報発信をインターネットにより行うことを目的に、平成22年〜平成24年の3年間で「中小企業人材確保推進事業」を活用して、組合のホームページの作成に取り組みました。

事業・活動の内容と手法
組合及び人材確保アドバイザーで構成される人材確保検討委員会で月1回協議を行い運用しています。
業務内容周知のため、「私たちの仕事(鉄骨加工の製造、組立工程別の技術・技能の解説)」・「大人の工場見学(組合員企業の工場を社長が案内・紹介)」・「鉄へのこだわり(映像コンテンツ)」・「鉄人が答えるQ&A(鉄骨の材質、性能評価、製作、検査、溶接など鉄骨に関するさまざまな情報を、わかりやすく詳細に説明)」・「Photo Gallery(従業員の働いている写真など紹介)」・「採用情報(熟練の職人である”鉄人”が熱く仕事を行う上での思いを語る「鉄人の条件」や様々な職種の社員や職人が登場し、仕事への思いややりがいを語る「鉄人の生声」)」の6項目で構成することとし、3年間で完成させる計画で取り組みました。

成果
アクセス数は平成26年11月25日現在、3万8,531件に達し、組合に対しての雇用に関する問い合わせ、ホームページを見て情報を得て応募してきたと思われる若い求職者があるなど、組合員企業において若い従業員の雇用は増えつつあります。
一方、組合員では、新人教育・従業員研修用の教材、営業用ツールなどにホームページを活用し、当組合や組合企業の業務内容について、内外へ紹介を行っています。さらに、素人でも理解できるビジュアルで表現した現場優先の内容等に費用と時間をかけ取り組んだことにより、他組合などから先進事例として紹介要請があるなど、外部の評価も高く、コンテンツの良さを組合、組合員ともに再認識しています。

住所 〒862-0911 熊本市東区健軍3-31-12 タケダコーポ1階
電話番号 096-331-3488
FAX番号 096-331-3483
設立 昭和41年9月28日
出資金 1100万円
組合員 22人
業種 建設鉄骨事業